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松阪もめん御朱印帳

松阪木綿の御朱印帳


江戸時代、粋な縞柄で一世を風靡し江戸の男女に大流行の「松阪もめん」。

土の香をたくさん含んだ正藍染めの糸をベースに、豊富な縞のバリエーションを誇る松阪もめんは、かつては粋好みの江戸庶民のファッションでした。

その歴史をたどりますと、五世紀後半に大陸から渡来した「呉織(くれはとり)」の子孫たちが、松阪市の東部で今も伊勢神宮の布を織っている「機殿(はたどの」中心に防織りが盛んになりますと、いち早く江戸に進出した伊勢商人の手で売りひろめられ、年々五十数万反も送り出した記憶を持っています。

ことに特色である縞模様は、松阪から安南(今のベトナム)に渡り、御朱印貿易で活躍した角屋七郎兵衛が、かの地からもたらした「柳条布」国産化といわれ、松阪周辺の女たちの、高い美意識と技術とで洗練されてきたものです。

そのため、「松阪木綿の紡織習俗」は、国の無形民俗文化財に選定されており、洗うほどうちから色のわいてくる藍の青さにも似た、深い物語性を秘めています。

御絲(みいと)織物株式会社は、全国でも数少ない、糸染めから行う織元です。

松阪には伊勢神宮に神御衣(かんみそ)を奉織している神麻続機殿神社と、神服織機殿神社があります。
織物の神様として信仰を集める両神社の周辺では古くから「みいと織」が生産されていました。

神服織機殿神社から少し海寄りに、松阪もめんの伝統を受け継ぐ「御絲織物株式会社」があります。
明治七年に紺屋として創業を始め、後に機屋を兼ねるようになった全国でも数少ない、染から手がける織元です。
昭和の初め頃から機械化が始まった松阪もめんが最盛期を迎えたのは、昭和二十年代のことです。

現在では「御絲織物株式会社」が松阪もめんの唯一の織元となりましたが、近年、その風合いの良さとデザイン性の高さが注目され、様々な用途で利用されるようになりました。

松阪もめんの生産は、かせ取りした木綿糸の束を染める工程から始まります。
深い青緑の藍の液をたたえた槽に糸を浸しては絞る作業を繰り返します。
藍は生き物なので、温度や気候によって染まり加減が変わるため染め職人の勘が必要とされる仕事です。

染め上がった糸は天日で乾かして織りに回されます。
約四十台ほどの機織り機の音が響く工場では、糸を巻き取る、経糸を通す、布を織るなどの工程が行われます。
昭和時代から数十年働いてきた機械が今も現役で活躍中です。
昔ながらの織り機によって織り上げられる反物には、大量生産される布地にはない温かみがあるように感じられます。

伝統を守りつつ、時代に合ったものにアレンジを加えながら、松阪もめんは江戸の「粋文化」を今に伝えています。